宇宙開発企業スペースXおよび電気自動車企業テスラの創設者兼CEOを務め、世界一の大富豪としても知られるイーロン・マスク氏が7月8日をもって正式にTwitter社の買収を撤回しました。今回は、そのTwitter社買収撤回に至る経緯についてご紹介します。
イーロン・マスク氏のTwitter買収計画、その始まりから撤回までの経緯
自身がTwitterのヘビーユーザーでもあるイーロン・マスク氏。「発言の自由度が高いことがTwitter最大の魅力」だと豪語していますが、その“魅力”に疑問を抱かざるを得ない出来事が立て続けに起こったのをご存じですか?
アメリカ大統領選挙で起きたTwitter社の露骨なRTリツイートの仕様変更
それは2020年11月のドナルド・トランプ前大統領と現大統領のジョー・バイデン氏が争ったアメリカ大統領選挙の直前に起こりました。大統領選挙の1か月前、2020年10月にTwitter社より突如として「引用リツイートを基本とする仕様変更」がなされたのです。
これは大統領選挙の際、誤情報の拡散の未然防止策として導入した機能であると発表されており、その理由を「当該ツイートが安易に拡散されるよりも、ご自身の見解、それに対する反応など、会話の文脈がより理解しやすくなり、より有意義なものになることを期待しています」と説明しています。そして、同年12月にTwitter社は「当初想定していた結果が得られなかった」としてこの機能を削除しています。
ドナルド・トランプ氏の個人アカウントの永久凍結
2021年1月、ドナルド・トランプ氏の過激な支持者によって米連邦議事堂襲撃事件が引き起こされます。事件の後、Twitter社は「暴力行為をさらに扇動する危険性がある」として同氏の個人アカウントに永久凍結の措置を施しました。この措置について否定的な意見が世界中から寄せられましたが、Twitter社は「この一件だけでなく、前後の文脈および過去の言動を踏まえたうえでの決断である」と説明しました。
「事実上の検閲である」として、イーロン・マスク氏が買収に乗り出す
一連の仕様変更と永久凍結が大統領選挙前後に立て続けに起こったことに対して、イーロン・マスク氏は「事実上の検閲である」と発言しました。つまり、イーロン・マスク氏のTwitter社買収の最大の目的は「表現の自由の確保」ということになります。また、「買収がかない次第、どのような基準でツイートが規制されているのかというTwitterのアルゴリズムを一般公開したい」と公言しています。
テスラ社の株価が暴落・・・
Twitterにおける「表現の自由」の完全な確立のため買収を目論むイーロン・マスク氏に対して、「表現の自由」が足かせでしかない権力者がいることは言わずもがなですよね。姿を見せない何者かが、イーロン・マスク氏のTwitter社買収の邪魔をします。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏が数十億ドルのテスラ社株を空売りしたことによって同社の株価が急激に暴落します。
環境保護を何よりも重んじていたはずのビル・ゲイツ氏による突然の奇行に、イーロン・マスク氏も動揺を隠せません。空売りの理由を問いただすイーロン・マスク氏に対して、「環境保護のことを忘れていた」と耳を疑うような反応をみせるビル・ゲイツ氏。自身にメリットのない無意味な空売りと噓のような反応。あなたはこの一連のやり取りをどう捉えるでしょうか。
さらに、民主党一派からの圧力も
Twitterのメイン広告主であるコカ・コーラ社やウォルト・ディズニー社に対しては、文書によって圧力がかけられます。「イーロン・マスク氏がTwitterをマネジメントすることで誤情報のたまり場となる危険性がある」とし、過激主義や健康分野の誤情報、陰謀論者を増幅させかねないプラットフォームへと様変わりしてしまう可能性があるという内容が広告主の企業宛に送信されたようです。「Twitterのアルゴリズムのオープンソース化」を公言しているイーロン・マスク氏と完全に矛盾する内容なため、この内容は明らかにおかしいですね。
出所の詳細は不明ですが、民主党と深く関わりのあるとある財団とヨーロッパ政府が関係しているという部分までは明確にされています。また、この財団とビル・ゲイツ氏が深く関わり合っていることも重要な点なのかもしれません。
Twitter社の買収撤回へ
これ以外にも、持続可能な未来を目指す企業が参加する団体から100%電気自動車企業であるテスラ社が明確な理由なしに追放されたり、一切証拠のないセクハラ疑惑をかけられたりしています。これらは無視することのできない事実ですが、立て続けに起こったことでイーロン・マスク氏は買収の撤回に追い込まれました。しかし、これらの事実を公開できたことが何よりも価値のあることだと言えるのではないでしょうか。
今後もイーロン・マスク氏のTwitter社買収計画から目が離せません。